Barringtonia acutangula /チックナム
 科名属名学名 サガリバナ科Barringtonia acutangula
 タイ名 จิกน้ำ(チック・ナム),ต้นมุจลินท์(トン・ムチャリン) 
 その他名称 英名Freshwater Mangrove、 Indian Putat 。Sanskrit語 Abdhiphala,Ambudhiphala, Ambuja
 原産地  インド,東南アジア。                         
 用途など 装飾樹。暴風防砂林。
         
 花  花序
   
  バンコク・シリキット公園にて撮影  果実  葉

樹形・幹・葉 高さ5~15落葉樹。樹形は横広がり。葉:単葉,枝先に密生。20~30cm倒卵形先尖
花・果実  花:赤紫色。花弁4,雄蕊長く多数。長さ40cm総状花序,下垂。
       果実:長さ2~6cm卵形先尖、菱4あり。果皮は繊維質で水浮揚可。種子1個
花期  5~6月開花。 (開花は夜間で,短期に落花。)
 
 野菜  若芽・若葉・幼花を食用にする
 
仏典の植物 南伝仏典は「ブッダは悟りを開いた菩提樹の下に1週間過ごした後,ニコローダ樹の下に移り1週間,そしてムチャリンダ樹の下に移り1週間,更にラージャーヤタナ樹の下に移り1週間過ごし,またニコローダ樹に下に移り戻られた」と伝える。更に,第3週目に池の傍のムチャリンダ樹の下に滞在中に猛烈な暴風雨に遭遇され大難儀された。このとき池の中に棲んでいた竜王(ムチャリンダ)がそれを見かねて身を挺してブッダを守護したと,,。北伝仏典の伝えるところも同様である。
梵語名ムチャリンダ、 漢訳仏典名ー目真隣陀(もくしんりんだ)である。。

タイでは本種を含むバーリングトニア属の種をムチャリンダ樹としている。「仏典の植物」(満久)も同様である。
 
雑感 サガリバナ(Barringtonia racemosa)に比べ葉や花・果実は大きいがよく似ている。チェンマイでは植樹はあるが開花イマイチなので、バンコクで撮影した画像を掲載した。


(暴風雷雨の中)竜王ムチャリンダに守護されながら、瞑想禅定されるブッダ像
  竜王ムチャリンダは、胴体をトグロに巻いてブッダを座らせ、自らの頭を広げて暴風雷雨からブッダを守護している。

このブッダ像は、タイ名พระพุทธรูปปางนาคปรก(プラプッタループ・パーン・ナーク・プロック)と称される。

タイには誕生日の曜日によるブッダ像があり、寺院境内に曜日別7体のブッダ像を安置している寺院が多い。
本ブッダ像は土曜日生まれの人の守護神であり、土曜生まれの参拝者はこのブッダ像に拝礼する。

*竜王ムチャリンダはインド神話に登場する多数の竜王(ナーガラージャ)の一人である。北伝仏教にも八大竜王等、様々な竜王竜神が登場している。


タイの寺院を護持する竜王(ナーガ)像 
  タイでは竜王(ナーガ)は寺院(ワット)をも護持している。右はタイの寺院に最も多く登場する竜王(ナーガ)像の一例である。

通常は寺院の各種の階段の横に安置されることが多く、バンダイ・ナーガと称される。(バンダイ=階段の意) 
造形は地域等により多少異なり、特に頭部の数や形に特徴がある。(北タイには頭部が鶏形もある。)

*竜王ナーガを口にしている動物は、インド神話の怪魚マカラが口から吐き出しているとする説が有力であるが、諸説あり定かではない。
なお、マカラは日本ではお城の屋根の鯱鉾(しゃちほこ)のモデルとも言われている。

*竜王ナーガ(ナーガケサラ)の植物での名称はテリハボクセイロンテツボクのページに記したので参照されたい。何れも仏典の植物であり、漢訳仏典名ー龍花樹である。

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