Corypha utan / グバンヤシ
 学名 Corypha utan (syn) C. elata, C. gebang
 科名属名 ヤシ科 コリファ(コーリバヤシ)属                      別和名 タラバヤシ。
 タイ名 ลานพรุ(ラーン・プル),ลานใต้(ラーン・タイ)  *ラーン・タイのタイは南部の意
 その他名称 英名Gebang palm,Buri palm インドネシア名Gebang(グバン)  フィリピン名Buri(ブリ)
 原産地 インド・東南アジアに分布。       タイ国内では南部に生育地域がある。
 用途など 種子は食用。葉は古くは紙の代用。観賞樹。 

  
 葉の様子
 
 チェンマイ花博公園にて撮影  葉柄の様子

ヤシの葉に書かれた経文   ランパーン県のワット・プラタート・ランパーンルアン内の展示室にて撮影。  
     
 ヤシの葉に書かれた経文など展示。 ヤシの葉に書かれた 経文  経文の文字の拡大
ワット・ランパーンルアンのヤシの葉の経本。上記の画像は同寺院境内の展示館内で撮影したものである。訪問は数年前でタイ語はチンプンカンプン,そしてヤシなど全く無関心で種名は不明(未確認)です。   

樹形・幹・葉 樹高18~20m常樹。単幹直立。 葉:羽状葉。
花・果実 花:両性花。極冠に大きな円錐花序。 果実:核果。径3~4cm球形。種子1個。
花期 不明。(出芽後40年~60年を経て一度だけ開花。開花結実後に枯れ死する)
自生地 タイ南部に生育している地域が数か所ある。タイ名のลานใต(ラーン・タイ)のタイは南部の意。
 
グバンヤシの葉に書かれた経文 グバンヤシはタイで写経に用いられた3種のコリファ属のヤシの一である。タイの南部に生育するので,バンコク王朝での写経利用が多かったのではと思われる。写経は仏教の修行形式であり,北タイでも100年ほど前までヤシの葉に書かれていた。タイで紙が作られたのは300年程前であるから,紙が作られてからもヤシの葉は被書体として長く使用されていたのである。
 
貝多羅葉 サンスクリット語のPatraは葉の意味(だけ)である。しかし貝多羅・葉と漢字音訳(+意訳)されると葉の意味が転じてヤシの葉に書かれた経文の意味に転じるらしい。そうだとすると掲載の画像のヤシの葉は貝多羅葉ということになるが、、、。漢訳仏典では貝多羅(葉)は経文の意ではなく葉の意味で用いらていない。

ヒチヨウジュはサンスクリット語名sapta pattraで漢訳仏典では七葉樹(sapta=7)と訳され、葉という本来の意味(だけ)である。
 
タラバヤシの名称  タラバヤシ(Corypha utan)という和名は漢字では多羅葉椰子と書き,貝多羅葉(pattra)からの名称由来らしい?。貝多羅葉の短縮名は貝葉であるから,バイヨウヤシなら理解できるが,,。
オウギヤシ(Borassus flabellifer)の漢訳仏典名=多羅樹(tala)の葉も写経に用いられおり,こちらの葉のほうこそ多羅葉と訳されるべきである。また貝多羅葉の多羅葉(tara-ba)と,オウギヤシ(多羅樹)の葉の多羅葉(tala-ba)は漢字綴りは同一となるが,羅はサンスクリット文字ではraとlaの別文字であり,全く別の語彙である。
従って、この名称は紛らわしく混同されやすい。実際混同説明や両義解釈可能説明もかなり見受けられる。
私はタラバヤシ(Corypha utan)は全くの愚名だと思う。

当HPのタイトル名は,このヤシが広く自生しているインドネシア名と,英名からグバンヤシとした。
 
雑感 グバンヤシの画像は,花博公園にて撮影したものです。隣りにラーン・パー(Corypha lecomtei)が植樹されていたが,見比べても私には違いは全く判らなかった。

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