Corypha lecomtei / ラーン・パー
 科名属名学名 ヤシ科Corypha lecomtei
 タイ名 ลานป่า(ラーン・パー)ลานกบินทร์ (ラーン・カビン  *ป่า(パー)は森の意。野生・自生を含意。
 その他名称 英名Laan pa 
 原産地  タイ,カンボジア,ベトナム原産。     タイ国内では中部から東北部の雑木林に生育多。
 用途など  果実は食用。葉は古くは被書体に用いた。
     
 葉の様子   葉柄の様子
   
 チェンマイ花博公園にて撮影。 茹で果実(路上販売)  果実ルークラーン(茹でてある)
     
皮を剥いた茹で果実(路上販売)  左記画像拡大

 バイラーンに書かれた経文  *画像はタリポットヤシのページと重複しています。
     
 バイラーンで作られた経本  バイラーンに書かれた経文  バイラーンに書かれた経文の文字

樹形・幹・葉等 樹高15~20m。単幹直立。 葉:長さ3m羽状複葉。
花・果実 花:両性花。白色花弁3。大型の円錐花序。  果実:核果。径3cm楕円形。種子1。胚乳は可食。 
花期: 7~9月開花。10~4月結実。出芽後20年以降に一回開花結実(結実後に枯死。)。花数は数百万。
*自生地等 ラーン・パーは,タイ・カンボジア・ベトナムが原産・自生地である。タイでは中部から東北部の森に多く自生する。東北部のタップラーン国立公園はラーン・パーが多数自生(群生)することでよく知られている。近年では自生地は減少の一途とたどっているという。
 
名称 タイ名及び英名からラーン・パーをタイトル名とした。タイにはコリファ属のヤシは他に2種あり、タイ名はラーン・プル(Corypha utan)ラーン・ワット(Corypha umbraculifera)である。3種のラーンの名称の元祖はこのラーン・パー(旧名トン・ラーン)である。
 
胚乳試食 ラーンパーの果実(ルークラーン)の胚乳は食用である。茹でた果実(又は胚乳部分だけ)が販売されている。購入して切り裂いて胚乳を試食した。味は殆ど無いがややモチモチとした食感である。通常は氷入りの砂糖水に入れて食する。ローイケーオという人気のデザートである。  

路上販売の数人に入手先や時期を訊ねたところ、何とチェンマイ南部又は近県で毎年採れるという。4~5月に開花し7~8月に結実したものを採取して販売しているとのこと、但し開花は20~30年に一度だけで年によって収穫高は大きく変わるとのこと。どうやら、チェンマイ近辺にも本種の小群落があり毎年開花しているようだ。

*読者の方から、ラーンパー(Corypha lecomtei )の果実は楕円形であり、画像のルークラーンは球形なので、ラーン・プル(Corypha utan)の果実(球形)ではないかとのご指摘を頂きました。現時点の調査(本やNet画像、開花結実時期等から推定)ではラーンパー(Corypha lecomtei )の果実ではない可能性があります。ご指摘下さいました読者の方に感謝申し上げます。掲載文はそのままとし再調査を考えております。
 
ラーン・パーの葉(バイラーン)の被書体としての利用。 タイではラーン・パーの葉は古くから被書体として用いられいる。記載内容は様々である。もちろん写経にも用いられている。タイで被書体に用いられたヤシはこのラーン・パーとオウギヤシの葉(バイターン)が最も多く用いれられたと思われる。
 
雑感 花博公園に植樹のラーン・パーを撮影した。近くにグバンヤシ(Corypha utan)も植樹されていたが,両ヤシを見比べても何処が違うのか全く判らなかった。ラーンパーはチェンマイ市内にも相当数が植樹されていることが判り、改めて撮影画像掲を載したいと思っています。

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