ナンヨウスギ属2種 <Araucaria columnaris> <Araucaria heterophylla>

 Araucaria columnaris /クックパイン
 科名属名学名 ナンヨウスギ科 Araucaria columnaris  (syn)Araucaria cookii
 タイ名 สนฉัตร(ソン・チャット) 
 その他名称 英名Cook pine, Coral reef araucaria   中国名ー庫氏南洋杉    
 原産地 南太平洋のニューカレドニア原産.       タイでは外来種として特定場所に植栽。
 用途など 木材(建築・造船)。街路や公園に装飾樹・吉兆樹として植栽。
      
 枝
   
 チェンマイ市内にて撮影  葉身  幹

 樹形・幹・葉 高さ60mに達する常緑樹。細長い円錐形。幹は通直、やや傾曲するものもある。樹皮は剥落。
         枝は一定間隔に輪生し横に張り出す。下部の枝は枯落。
         葉:針葉状。長さ4~7mm披針形の葉が螺着して紐状。
 花・果実   花:雌雄異花。花詳細情報は不明。 果実;球果(マツボックリ)。種子は翼有り多数。
 花期 不明
 雑感 シマナンヨウスギに併せて記載。


 Araucaria heterophylla / シマナンヨウスギ
 学名 Araucaria heterophylla (syn) Araucaria excelsa
 科名属名学名 ナンヨウスギ科 Araucaria heterophylla (syn) Araucaria excelsa
 タイ名 สนฉัตร(ソン・チャット)                 クックパインに同名。
 その他名称 英名Norfolk pine。    中国名ー异叶南洋杉             
 原産地 南太平洋のノーフォーク島・ニューカレドニア島原産。 
 用途など  木材(建築・造船)。街路や公園に装飾樹・吉兆樹として植栽。
      
 枝
   
  チェンマイ花博公園にて撮影 葉    幹

 樹形・幹・葉  クックパイン(Araucaria columnaris)に同じ *葉の長さが異なるかも?
 花・果実  クックパイン(Araucaria columnaris)に同じ  *球果の大きさ形が異なるかも? 
 花期 不明
 
 クックパイン(Araucaria columnaris)とシマナンヨウスギ(Araucaria heterophylla)の相違点を、名表板を頼りに撮影した両種の数本で比較したが、見れば見るほどに私には見分けがつかなかった。
*チェンマイに植樹のナンヨウスギ属の種は多分この両種のうちの何れか又は双方であると思われる。


仏典縁りの植物  本2種のタイ名สนฉัตร(ソン・チャット) のチャット(又はチャトラ)について  
     
 仏像上のチャット  チェーデ―上のチャット  寺院の屋根上のチャット
 ฉัตร(チャット,チャトラ)について        *同様の説明をシチヨウジュにも記載しております。   
チャット(チャトラ)とは,本来はバラモンの儀式に用いられていた多層の日傘(装飾用)であり,特に9層白傘は王位の象徴ともされたものである。
仏教にも取り入れられ境内や寺院の屋根上の装飾によく見られる。境内に安置の仏像には,日除け傘(一重も多い)としてよく用いられている。

チャット形の植物
層をなして円錐をなすチャットの形は、タイでは慶祝・吉兆の形として非常に好まれる。
ナンヨウスギ(本2種)の樹枝が輪生して層をなし張り出す樹形はチャットの形に似ていて好まれる。
なお、同形の樹として他に、シチヨウジュ、フークラチョン等も慶祝・吉兆樹として多数植樹されている。  
 
 雑感 チェンマイでは至る所に多数植樹されている。種名は恐らく上記の両種の何れか又は双方であると思われる。両種ともに太平洋上の島を原産地とし海岸に生育が多いと思われるが、内陸盆地のチェンマイでもよく育っている。近郊の海抜1400mの山地にある国王の御用邸プーピンパレスにも植栽されている。

チェンマイにナンヨウスギが多数植栽とは、ブッダ・パワーは何とも強烈! キャプテン・クックもビックリか?


チェンマイ市内に植樹のナンヨウスギ(種名不明) 吉兆樹として至るところに植栽されている。
 市内の寺院境内(礼拝堂正面)に植樹    プーピンパレス(海抜1400m)敷地内に植樹
市内に植樹の並木  個人宅の庭先に植樹

<追加>
 ナンヨウスギの花・果実
      
咲き始めの雄花(12月撮影)
 
  プーピンパレス(海抜1400m)敷地内のナンヨウスギ   雄花(12月撮影)
     
 雌花(3月撮影)  果実(3月撮影)  果実(3月撮影)
上掲のナンヨウスギ属2種を掲載した時には、花・果実は見られないと思っていたが、最近12月にプーピンパレス(王室保養地)を散策中に思いがけずも花を見つけた。3月には果実が見られたので追加掲載した。
*上掲チェンマイ市内に植栽のナンヨウスギ(種名不明)の中の、プーピンパレス敷地内の株に同じです。
雄花・雌花ともに上記画像の全株に、そして同株に咲いていた。雄花は樹の下部に、雌花は樹の上部に集中している。3月の再訪時には果実が生っていたが、未熟かな。(雌雄同株画像は雌雄花が離れ過ぎで割愛)
ナンヨウスギをチェンマイで見たときは、こんな内陸盆地によく生育するもんだなと思ったが、花・果実を海抜1400mの山地で見かけるとは意外だった。なおチェンマイ市内ではこの時期を含め開花結実は見ていない。

花・果実画像を含め上記株の種名を特定したいが、そんな能力は無く、残念!!アラウカリア属は全部で15種程なのでよく調べれば種名はかなり絞れそうだが、、、判る人は一目で判るんだろうなあ。
*シマナンヨウスギの果実に似ているようだが、シマナンヨウスギは雌雄異株らしいので違うと思われる。

訂正追記:継続調査しましたところ、上述のシマナンヨウスギは雌雄異株らしいと記載しましたが、中国サイト(維基百科)には「雌雄異株或雌雄同株而異枝」とあり、上掲追加画像はシマナンヨウスギの雌雄同株而異枝の可能性があります。中国のサイトには雌雄花画像等も散見され、上記画像と良く似ている。なお、クックパインの中国情報は少ないが両種は好く似ていて誤認しやすいとの記載がある。何れにせよ上掲種は不明に変わりない。


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