Ficus religiosa / ボダイジュ(菩提樹)
 科名属名学名 クワ科Ficus religiosa                 和別名インドボダイジュ、テンジクボダイジュ
 タイ名 ต้นโพธิ์(トン・ポー),โพธิ์ (ポー),โพิ์ (ポー)   トンは木 ポーはボーデイ=菩提=悟りの意 
 その他名称 英名Bodhi tree,Peepal tree インド名Pipal、Asbatthaなど 中国名-菩提树
 原産地 / 分布 インド原産。熱帯アジアに広く分布。
 用途など 仏教の聖木として植栽。緑陰樹。        *プラーチーンブリー県(東部)の県木。
 
 樹下に鎮座瞑想されるブッダの像
 
 チェンマイ市内にて撮影  葉
   
 果実 落葉後の新葉は赤くて美しい プラーチンブリーの県木
(幹が白い) 

樹形・幹・葉 樹高20~30の落葉樹。ときに気根。 葉:単葉・互生。6^12cm心臓形,先端が長く突出。
花・果実 花:雌雄異花。多数の小さな雄花雌花が花嚢内に開花。隠頭花序。
       果実:イチジク状果。径1cm程球形。赤紫色に熟。鳥の好物。
花期 4~12開花結実。 
 
名称 タイ名ต้นโพธิ์(トン・ポー)のポーは,黙音記号を外せばโพธิ(ポーティ)であり、梵語ボーディ(菩提=悟りの意)の音訳名である。漢訳仏典名の菩提樹も梵語ボーディの音訳名であり,英名Bodhi treeも同様である。

なお、本樹はブッダの悟り(菩提)を賀して仏典に菩提樹と称されたものであり、仏典のみの名称である。
梵語名はピパール、又はアシュバッタであり、今もインドの植物名はこの名称である。

和名インドボダイジュについて
 インドボダイジュ(Ficus religiosa)は和名ボダイジュ(Tilia miqueliana)との同一和名であるため、これを避けるために(已む無く)、インドボダイジュという和名が付されたという説明がされている。しかし海外の植物には同和名名の別植物はよくあることで、特に問題とする理由は見当たらない。
また、Ficus religiosaは漢訳仏典名ー菩提樹又はこの意味の名称(英名やタイ名他)がGlobalに用いられているので、特にインドボダイジュなどという和名は、現在では~~ボダイジュという和名多数で、仏典の菩提樹とは別の樹かと逆に間違いやすい。本物の菩提樹は、本物の和名を付けたほうが望ましいと思われる。

当サイトでは本種のの和名はボダイジュ(菩提樹)とした。本物の菩提樹であり従って最も相応し和名と思う。
なお仏教の三霊樹の一としてインドボダイジュの名称が散見されるが、和名インドボダイジュは仏典の植物名では無いので、仏教に関連しては仏典名ー菩提樹を用いるべきであると思う。

インドボダイジュが本物の菩提樹であり、ボダイジュ(Tilia miqueliana)とは異種・別種と説明も散見される。ボダイジュ(Tilia miqueliana)は等しく聖木として崇められており、従って
代用されていたのが歴史的事実である。異種・別種とは心無い表現で、植樹された寺院に対して失礼である。代用とすべきである。特に官公立の植物園は宗教的には中立であることを意識されたい。
 
仏典の植物 南伝北伝の両仏典つたえるとおり,シッタルダは本種(菩提樹)の樹下に座禅を組み悟りを開き成道され、ブッダに至られたとされる。
 
雑感 チャンマイ(恐らくタイ国内全域)では寺院は勿論のこと学校や公館,庭園,街路に広く植樹されている。幹を仏色の布で巻き,樹下にブッダ像を安置していることも多い。寺院内ではブッダの座像は東向きに安置されてことが多く、従って寺院の正門は道路の東側にあることが多い。チェンマイ市内の寺院の正門は多くは道路の東側にあり、堀の西側通りに面した寺院は一院も無い。*堀の北通り・南7通りに面しては、ビルマ寺院が多い。

 菩提樹下に瞑想・成道されるブッダ像                *印相は降魔成道印

ワット・ドイステープへの登り口にある高僧クルーバー・ シーウィチャイの像とボダイジュ
*クルーバー・ シーウィチャイはワット・ドイステープ他、寺院建設(再建)に尽力した高僧。


ボダイジュの育苗   近年は温暖化の影響や育種法の向上で,我が国でも地域によっては仏典の菩提樹が植えられている寺院があるようなので,私も挑戦することにした。  以下は挑戦記録。
 チェンマイの植木市で苗を購入し、宿のベランダに置く(2月) 入国時の植物検疫に備え葉枝を清掃,土は完全除去。  長時間移動に備え,根を湿した綿で包む。  ビニル袋に入れて、 手荷物バッグに括り付けらるようにした。 
植物検疫の許可を得て持ち帰りベランダ2階で鉢植え(2月)。再出葉(4月末) 屋外に出したら急激な成長( 6月) 大きめの2鉢に分けて、再度屋外へ戻した。(7月初め)  ベランダに戻した。大成長し、根が底から飛び出していた(10月初)
   
翌年2月全落葉した。 翌年4月出葉。外に出さずここに放置した。日当たりはイマイチ 翌年9月撮影(成長はゆっくり)  
 *入国時の植物検疫手続きは必須です。適格なら検査済証を貼り付けてくれます。そして税関に進みます。
入国(帰国)時に植物検疫を受け,帰宅して苗を鉢植えにしベランダ2階に置いた。2月中旬の極寒の日で,忽ちにして葉は枯れ落ちた。そのまま放置しておいたら,4月下旬に葉の新芽を出した。 5月屋外に出したら急激に成長したので2鉢に分け、再度屋外へ出した。6~9月に何と大成長、根は鉢の底穴から飛び出し地面に達していた。強烈な生命力・成長力である。マンション暮らしなので植える土地が無く、いつまでも鉢を外に出す訳にもいかないので、またベランダに戻した。  
翌年2月には全落葉した。そして、4月に再び出葉した。鉢は外に出さずベランダに置いたまま、殆ど水を遣らないようにして成長の抑制に努めた。9月になっても成長は少しだけ、開花はしなかった。根を調べたら鉢の中に納まって、むしろ幹の根本の土の中に好く成長していた。このままで、大きくならないように暫くは育ててみることにした。*2015/10現在も育っています。夏に水を遣り忘れて全落葉しましたが、水を遣ったら即再出葉しました。ボダイジュの生命力は強く、チェンマイから苗を持ち帰るときには 葉や余分な枝を切り落としておくべきだった.。After Thought(後知恵)!

チェンマイの夏(7~8月)は雨季で大阪(私の在住地)に比べ、近年は気温はむしろ低め、雨季は曇天が多く実質的な日照時間も少なめ。夏の成長はチェンマイより大阪が早いと思われる。冬(寒期)は落葉するので耐寒性はかなり強い。近年の西日本では問題なく育つと思われる。

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