タケ タケ(竹)はイネ科タケ亜科に属し,100属余1000種余に及ぶ。特にアジア大陸に多く産し,タイにも多くの種類が生育している。当サイトでタケを掲載したのは,タケは仏典(に記載)の植物であり,またそれ故の植樹がなされていることによる。*当サイトのタケに関する説明は仏典の植物という観点に限定しております。 |
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仏典の植物 南伝仏典の伝えるところ,「ブッダは成道後第2回目の雨安居をマガタ国ラジャグリハで過ごされたが,同国王ピンピサーラより竹林精舎を寄進されここに移り滞在された。やがて竹林精舎でブッダの教導を願う阿羅漢は1250人達し,一同に会してブッダの教えを受けた。陰暦3月の満月の夜のことであった」という。北伝仏典にも同様の伝えがある。
タイではタケ(竹)は仏典の植物とされている。日本では仏典の植物関係の書籍等でタケを格別の扱いしていないのは,恐らくはタケは中国にも日本にも多種多数に生育しているからと思われる。タイの植物はインドと同様のものが多いから、特に仏典の植物としての認識を要すると思われる。
下段の掲載画像は仏典の植物として植樹されることが多いタケの数種である。 |
竹林精舎 タイ語でเวฬุวนาราม(ウェール・ワン・アーラーム)といい,梵語でウェール=タケ(竹),ワン=森,林 アーラーム=僧院,精舎の意味であり,漢訳仏典では竹林精舎と意訳されている。仏教史上では最初の精舎である。(*アーラーム=僧院,精舎はワット(วัด)と記されていることもある。)
*歴史的には、ワット(寺院)はブッダの入滅後にその遺徳を偲ぶ場所・建物として築かれたものであり,従ってブッダ在世中には寺院(ワット)は存在しない。ブッダ在世中の滞在建物は僧院または精舎と称される。
*タイのワット(寺院)はブッダの遺徳を偲ぶ遺品(タート)を収める場所が必ずある。遺品は仏舎利(プラタート)が最も望ましいが他のものでもよい。最も多いのは「バーリ語仏典」である。バーリとは本来「ブッダの言葉」であるから遺品となりうる。収納場所はチェーディー(เจดีย์)内が最も多い。この場所がワットの基本をなす。
なお、タイ語のチェーディ―(เจดีย์)は、古代インド石窟寺院にある礼拝を行なうためのチャイティア窟(祠堂窟)に由来している。 |
万仏節 タイ語でวันมาฆบูชา(ワン・マーカ・ブーチャー)といい,ワン=日,マーカ=陰暦3月,ブーチャー=祭るという意味で,ブッダが竹林精舎で上述の教えをなされた日である。この日はタイでは祭日である。 |