Uvaria属2種 <Uvaria grandiflora>, <Uvaria cordata> |
Uvaria grandiflora / ウバリア・グランデフローラ |
科名属名 学名 | バンレイシ科ウバリア属 Uvaria grandiflora |
タイ名 | ย่านนมควาย(ヤーン・ノムクワーイ) กล้วยหมูสัง(クルアイ・ムーサン) |
その他名称 | 英名 Large-flowered Uvaria 中国名-大花紫玉盤 |
原産地 | インド・東南アジア タイでは各地の林に生育。 |
用途など | 果実は可食(甘酸っぱい)。葉・根は薬用。鑑賞樹。 |
花(雌蕊柱頭に粘液あり) | |
バンコク・シリキット公園にて撮影 | 花 |
幼果実 | 果実 | 熟し過ぎ果実 |
葉 | 黄花の本種 |
樹形・幹・葉 高さ2~3m常緑低木、蔓性あり。 葉:単葉、互生。長さ25~30cm長楕円形先尖。 | ||
花・果実 花:花径10cm余。萼片3花弁6(3*2)暗赤紫色。中央に雌蕊多数。芳香あり。単生。 果実:集合果実。小果は液果。いびつな円筒形。黄色に熟。 種子:多数。 |
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花期 5~7月開花。 | ||
観察-集合果。バンレイシ科の花は、(一つの花に)雌蕊多数であり各雌蕊は子房を一つ有する。受精した雌蕊の子房は成長し、果実が形成される。この果実は集合果(aggregate
fruit)と称される。 画像で見ると、花の画像の中央部は多数の雌蕊が密生し少し盛り上がっている。幼果実の画像から、花の中央部の複数の雌蕊の子房が成長しているのを見て取れる。成長が進むにつれ(集合)果実と化している。 近年の植物学は従来の形態情報に加え、分子(DNA)情報等により、進化系統や分類等が飛躍的に発展しています。従来の形態情報を中心とした植物情報(用語)も当然ながら影響を受けています。 Uvaria grandifloraのこの果実は、形態的には集合していないが、近年の植物学用語では集合果と称されている。従来は形態的に集合している和名バンレイシ(釈迦頭)などの果実だけを集合果と称していたが、近年の植物学では、1つの花の複数の子房に由来する果実は集合果とされており、バンレイシ科の植物は全てこのタイプなので、果実は集合果である。 *多数の花の果実が集合(複合)して、一つの(大きな)果実をっ形成する場合、近年の植物学では多花果又は複合果(collective fruit)として、集合果(aggregate fruit)とは区別して別称される。複合果に該当する果実はパイナップルやジャックフルーツ・ノニなどの果実で熱帯には多種ある。 *タイでは植物用語として、集合果ผลกลุ่มと複合果ผลรวมは明確に区別され説明されているので、当HPも準拠。 |
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雑感 タイは原産地あるが自生はまだ見ていない。大きな花が美しく何とも魅惑的である。タイ人はこの花を、、中心部に集合した雌蕊を乳首、周辺の雄蕊を乳房と見たてて、本科の植物のタイ名はนม~(ノム=お乳)と称するものが多い。本種のタイ名ย่านนมควาย(ヤーン・ノム・クワーイ)は、牛の巨乳と訳されよう。本科の花冠はお乳(蕊)を保護する形(ブラジャー形)をしているが、本種は何とノーブラタイプである。下に掲載のนมช้าง(ノム・チャーン)は象のお乳という意味で、これもノーブラ巨乳タイプである。巨乳タイプばかりでなくノム・メーオ(猫のお乳)やノム・ヌー(鼠のお乳=)など多彩である(追加掲載予定)。バンレイシ科の植物は、黄花で色好し、見て形好し、嗅いで香り好し、食べて好し、である。(上記画像の若花の粘液は舐めて好しかも??) バンレイシ科の果実は全て可食と思われるが、中でもウバリア属は美味とされ全て食用である。バンレイシ科の植物の果実は見つけ難いものが多いが、熟直後に動物(人?)に被食されるからではないかと思っている。 |
Uvaria cordata / ウバリア・コルダタ |
花 | 熟果実 | |
花博公園にて撮影 | 左から萎れ花・花蕾・幼果実 | 果実 |
葉 |
科名属名 学名 | バンレイシ科ウバリア属 Uvaria cordata |
タイ名 | นมช้าง(ノム・チャーン) ノム=乳、 チャーン=象 |
原産地 | インド・東南アジア。 タイには各地の林に生育。 |
特徴 | Uvaria grandifloraを少し小型化したような感じである。葉・花形等やや異なるが大差ない。 |
雑感 | 花はそれほど大きくはないが美形である。象のお乳に似ているのかな?。シリキット植物園には数本の植栽されていてよく開花する。最近果実を初めて見つけ撮影した。果実はまだ小粒で固く、完熟には至ってないので試食できなかったのは残念だった。 |
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