ポー・カーオ/Sterculia pexa
 科名属名学名 アオイ科ステルクリア属Sterculia pexa      
 タイ名 ปอขาว(ポー・カーオ)
 その他名称 英名不明   中国名ー家麻
 原産地 /分布 雲南・タイ・ラオス・ベトナム           北タイでは低地フタバガキ林に自生。
 用途など 樹皮繊維は縄や布などの材料。
    
 開花
 
 チェンマイ市内にて撮影  花序
   
    幼果実(5連結)  赤熟し開裂した果実 全落葉の樹に真っ赤な果実多数
     
 葉  幹

樹形等 樹高8~10mの落葉樹。 葉:掌状複葉,互生。葉柄長、小葉7^9枚,楕円状披針形。
花・果実 花:。黄色~赤色の蕚片は先端5裂して釣鐘型。花弁無し。総状花序。
       果実;分離果(袋果)。幼果期は5個連結。赤く熟し開く。  種子:楕円形。黒熟。多数。      
花期 乾期始め(11~12月に開花,果実は2~3月に赤熟。
*雌雄異花か両性花か未確認です。雌雄異株か同株かも未確認です。 
 
名称 タイ語ปอขาว(ポー・カーオ)のポー(ปอ)は樹皮繊維(靭皮繊維))を,カ―オ(白)は幹がやや白いことに拠る。また,果実は赤(デーン)なのでปอแดง(ポー・デーン)とも言う。この属の樹木種のタイ名は(も)重複が多く、混同し易い。
 
樹皮繊維(靭皮繊維) 靭皮繊維を繊維製品や紙の材料として利用する植物は多種ある。タイ語では靭皮繊維をポーと言い,この名称を冠した植物は靭皮繊維を繊維製品や紙の材料として利用される植物である。アオイ科のオオハマボウ(ポー・タレー),アオギリ科のポー・カーオやヤツデアオギリ(ポー・サムローン),クワ科のカジノキ(ポー・サー),シナノキ科数種などが好く知られている。もちろん,靭皮繊維を利用する植物はポーという名称に拘わらず他にも多種ある。
 ポー(ปอ)をタイ語中国語辞典で調べると「麻(maa)」となっている。中国語「麻(maa)」は本来は樹皮繊維の意味なので同義である。中国名ー家麻樹も名称からすると靭皮繊維を利用されていると思われる。日本のアオギリも古くは同様に利用されていたので,共通文化の一つと思われる。  
 
雑感 ポーカーオはチェンマイ市内には広く多数見られる。乾期には全落葉し整った樹形に赤い果実が多数で真っ赤が咲いているように見える。樹名を訊ねると「ポー」と教えててくれるが「ポー」だけではアオギリ科だけでも数種あり判り難い。多くの方がこの木から縄・紐を作るのだと説明してくれる。ひょっとするとチェンマイ近郊でもまだ本種から縄や紐を作ってるところがあるかもしれない。
日本では縄は稲藁(わら)から作るが,タイの稲藁は脆くて縄が作れないという(そう言えば,草鞋(わらじ)や筵(むしろ)も見たことが無い?。タイの縄はこの樹の樹皮繊維から作っていたのだろう。
この2~3年でチェンマイの空き地は激減しており,この類の樹木(自生種)は大激減している。

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