Manilkara hexandra / ケート
 科名属名学名 アカテツ科・Manilkara hexandra、  (syn)Mimusops hexandra              
 タイ名 เกด(ケート)
 その他名称 英名Ceylon ironwood サンスクリット語名राजादन rajadana  インドーマラティ語ranjana
 原産地 インド・ミャンマー・タイ原産                        乾燥した土地を好む。
 用途など 果実は可食。                    *プラチュワプキーリーカン県の県木県花。
   
花序
   
 チェンマイ花博公園にて撮影 果実
     
幹(大きな棘がある) 試食   

 樹形・幹・葉等 高さ3~12mの常緑樹。幹はやや白く大きな棘がある。枝が細長く樹形はやや整い難い。
           葉:単葉,枝先に輪状密生。6~10cm倒卵形。
 花・果実 花:ミサキノハナの花に類似の白い小花多数。 果実:液果。長さ2cm。黄色に熟。種子1個
 花期 7~8月に開花,12~1月熟す。 
 
 試食 果実は3月チェンマイ市内の寺院で鈴生りに完熟していた。寺院の案内の許可を得て摘果・試食した。食感は棗(ナツメ)に似ていて,味はまろやかに甘くジューシーである。同じアカテツ科のサポジラの果実味にやや似ていて、意外に美味しい。案内して下さった方は果実が食べられると御存じ無かったようで,試食をお薦めした。まあまあかという表情だった。残念ながら果物として知られていないようで市場で見ることはない。
(*仏典にはブッダがこの果実を召し上がられたという記載はないようである。)
 
仏典の植物 南伝仏典は「ブッダは悟りを開いた菩提樹の下に1週間過ごした後,ニコローダ樹の下に移り1週間,そしてムチャリンダ樹の下に移り1週間,更にラージャーヤタナ樹の下に移り1週間過ごし,またニコローダ樹の下に移り戻られた」と伝える。この第4週目にその下で過ごしたラージャーヤタナ樹がこのケートであるとされる。なおタイの補足説明文には第3週川辺のムチャリンダ樹の下に滞在中は雨嵐に遭遇されたので,第4週は乾燥した場所に移動され、そこには乾燥した土地を好むこのケートが茂っていたとされる。
ケートの梵語名はもちろんラージャーヤタナ(樹)である。北伝仏典も同様の伝えであるが,「仏典の植物」(満久)ではインドウミソヤ(記載名ロネホ)をラージャーヤタナ樹として有力としている。どちらが正しいというものではなく推定される植物が2種あるということである。
 
雑感  ケートはチェンマイで購入した「ブッダ伝の植物」(300円程の本)に載っていたので探したが,容易に見つけられなかった。思案していうちにプラーチンブリ―の県木だから花博公園の県木園にあるはずと思い,訪問した。とてもその下で過ごせるとは思えない小さな木が植えられていたが、続いて同公園の他の場所にも見つけられた。チェンマイ市内で見かけたのは下記画像の1本だけである。枝が縦横に長く伸びて、樹形が整い難い樹木のようである。また幹の棘は大きくて少し近寄り難い。


 チェンマイ市内の寺院に植樹されたケート。樹形は枝が横広がりで緑陰十分。
 

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